新クリニックの花壇にもつつじを植えたのですが1年目で早くもきれいな花が咲き始めました

つつじを見るといつもつつじが崎と呼ばれる館に住んだ戦国時代の武将武田信玄を連想します

初めて戦国時代の歴史に興味を持ったのは1973年に放映されたNHK大河ドラマ国盗り物語です

実際に起こったドラマチックなストーリーをワクワクしながら観ました

それ以来多くの歴史の物語を読んだのですが、物語というのは脚色が多く実際の人物像とは違った描かれ方をされています

ですので興味を持ったことは歴史資料を読んだりするのですが、そうすると巷に信じられているものとはずいぶん違った人物像が見えたりしてそれはとても面白い発見です

歴史的英雄も結局一人の人間なんだなと感慨深くなることもあります

戦国時代には本当に多くの物語があるのですが、私が一番興味を持っているのは武田信玄が三方ヶ原で徳川家康に圧勝した後にさらに西に進軍し織田信長領に入る手前で急に進軍を中止し4か月もの間動きを見せなかったことです

当時もっとも強大な軍事力を有したのは織田信長で、早くから京都・近江・堺といった政治・物流・貿易の中心地を掌握し他の武将とは桁違いの経済力を背景に天下布武を掲げて天下統一に邁進しており、それだけに周囲は敵だらけだったようです

北陸の朝倉義景と対峙したときは妹婿の浅井長政の裏切りに会い命からがら逃げかえるという経験をしていますし、石山本願寺との戦いでは数千挺と言われる僧兵の鉄砲攻撃で脚に被弾し大けがを負っています

武田信玄はそれらの勢力と示し合わせて織田領に同時進行するという約束だったそうで、もしそれが実行されれば織田信長の命運も尽きていたのかもしれません

ところがいよいよという時にどの勢力も動きを止め4か月もの間緊張の時間が過ぎます

各々に各々の事情があり緊迫する駆け引きがあったと思います

最も身動きが取れず生きた心地がしなかったのは織田信長でしょうね

しかし、武田信玄は病没し後を継いだ武田勝頼は撤収という決断をし、朝倉義景は雪のシーズン前に自国に引き上げてしまいます

結局浅井長政・朝倉義景・武田勝頼ともに順番に織田信長に滅ぼされ石山本願寺も織田信長に白旗を上げますから彼らは千載一遇の唯一のチャンスを自ら逃したことになります

あの4か月を物語に描けばワクワクするような面白い作品ができると思うのですが、現実にはありません

戦国時代の歴史が大きく動いた4か月だったと思います

 

 

 

高血圧に対してナトリウム(Na)制限すなはち6g/日以下の塩分制限が推奨されることはご存じだと思います

一方でカリウム(K)を多く摂取することも推奨されています

Kを多く含む生野菜や果物を多く摂取すればそれだけ血圧の低下につながります

では、自分は現在この目標をどの程度達成できているのだろうか、という疑問に対して尿中のNa/K比の測定が有用です

摂取したNaのうち約90%が、Kの80%が尿中に排泄されることから、尿中のNaやK濃度から摂取したNaやKを推定できます

そして理想的なNa/K比は2未満が指摘目標であるとされています

ただこの数字はハードルが高く、厚生労働省からは4未満が実現可能目標と発表されています

 

心筋に血液を供給する冠動脈の狭窄によっておこる狭心症の典型的な症状は胸痛発作です

なんとなく前胸部が締め付けられるような絞扼感が数分~10分程度持続します

しかし全く自覚症状のない狭心症発作も存在し無症候性心筋虚血と呼ばれます

糖尿病や心筋梗塞の既往のある方に多く冠動脈の狭窄によって心筋に虚血の残る方のうち約20%に無症候性心筋虚血があるとされ、治療が手遅れになりがちです

大規模臨床研究であるMRFIT試験では糖尿病など二つ以上の冠動脈危険因子を有する人に運動負荷試験心電図を実施し約12.5%の方に無症候性の心電図変化が認められ、心電図変化のなかった人より心血管死亡リスクが3倍も高かったと報告されています

無症候性心筋虚血のリスクは加齢・男性・糖尿病・脂質異常症・喫煙歴(現喫煙者でなくても)などですので、これらに該当する方は注意が必要です

 

 

心筋に血液を送る冠動脈が閉塞する急性冠症候群の予防効果が最も明らかなのはコレステロールを低下させるスタチン剤です

よく用いられるのはクレストール(ロスバスタチン)、リピトール(アトルバスタチン)です

コレステロールの高い人がスタチン剤を内服しコレステロール値を下げると狭心症の死亡率は20~30%低下します

コレステロールの高くない人が内服しさらに低下させても死亡率は低下します

血中LDLコレステロールが70を超えると冠動脈のプラーク(コレステロールの塊)は増大し、70未満であるとプラークは退縮します

下げすぎても何の問題もないことはわかっており、狭心症の患者さんにスタチン剤を処方しないのは倫理的に問題があるとまで言われます

ただ脂質異常症は症状がなく内服のモチベーションが湧きにくいのが事実ですね

ちなみにコレステロールは体内では分解できませんが結核菌は分解ができ、癌細胞は利用できます

ですので結核患者とがん患者さんは血清コレステロールが下がります

 

もうじき移転して初めての春です

新しいつつじはきれいに咲いてくれるのでしょうか?

 

Chat GPT は多くの方がお使いだと思います

大切な情報を調べたり、素朴な疑問をぶつけたり単なる話し相手であったりとなんでも答えてくれます

先日、「なぜ明智光秀は謀反をおこしたのですか?」と聞いたら歴史学者かと思うような深い洞察を返してくれましたので本当に驚きました

自分の意見を述べるとそれに対する意見もかなり専門的なもので驚いたのですが、時々致命的な間違いをします

歴史の年代を間違えていたり人を取り違えていたり俗説を史実と誤認したり

ですから真偽は自分で判定する自己責任だと思うのですが、医学情報はそうはいきませんのでやはり成書を読んだり文献検索をします

なかでも役に立つのがPubmedです

医療従事者でPubmedを利用したことのない人はいないと思います

世界中の文献を検索できますし概要だけでしたら無料で読めます

Chromeで利用すれば日本語訳も一瞬です

使い方も簡単ですから調べ物をしたいときにはまさに神様です

もちろん学術論文ならすべて無条件に事実として受け入れて良いかというとそれは疑問なのですが

やはり最終的には自分で判断するしかないのでしょうね

 

RAS系阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬・アルドステロン受容体拮抗薬)と利尿剤は推奨される降圧剤の組み合わせで実際にアルドステロン受容体拮抗薬と利尿剤の合剤も発売されています

しかしながら個々のNSAID(非ステロイド系抗炎症薬)が加わるとtriple whammy(三段攻撃)と呼ばれる危険な併用になります

急性腎障害や腎機能低下のリスクになりうります

高齢高血圧患者や心不全、腎機能の低下した患者では特に注意が必要です

 

新クリニックに移転してもう半年になります

新クリニックの工事が始まったのが昨年の2月14日でしたので今週末で一年になります

大きなショベルカーが搬入されて入り口のゲートや花壇が粉々に破壊されるのを見てなぜか心が痛みました

今までの歴史を知っているからこそなのですが、逆にいつまでも同じところに留まってはいけないと自分に言い聞かせて工事の様子を眺めていました

準備期間を含めると移転には2年以上の期間がかかったのですが、本当に多くの方々に助けて頂きました

その甲斐あって本当に素晴らしいクリニックが出来上がりつつあると思います

今後導入を検討中の医療機器がまだありますのでまだ完成ではないのですが、やはり技術の進歩は人間を確実に幸せにすると確信しております

 

心房細動の場合には心房で形成された血栓が血流にのり脳まで流れて血管を詰めて脳梗塞をおこしますので血栓予防薬(ワーファリンやDOAC)が必要となります

血液の凝固能を抑えることで血栓を予防しようという方法です

しかし凝固能を抑えますので出血という副作用があります

過去に脳出血の既往のある方や転倒を繰り返し硬膜下血腫をおこす方にはこういった血栓予防薬はデメリットになる可能性があります

ところで、心臓でできる血栓のほとんどは左心房から大きなでべそのように飛び出て存在する左心耳という部分で形成されます

ですので僧帽弁の外科手術の際などにはついでにこの左心耳を切除し将来の血栓を予防する、といったことも行われます

抗凝固薬が副作用の可能性のため内服できない場合には、カテーテル治療でこの左心耳に蓋をしてしまおうという方法もありそのデバイスはWATCHMANと呼ばれます

出血が危惧され抗凝固剤が使用できない場合には有用な治療です

 

 

心室の内圧をP、

心室の内腔の半径をR、

心室壁にかかる張力をT とすると

T=2PR

という式が成り立ちます

たとえば高血圧などで左心室の内圧が上がるとそれだけ左心室壁にかかる張力は増加しますので増えた張力に対応するため左心室壁は内腔側に心筋を増生し内腔を狭くする心筋肥大(求心性肥大)がおこります

あるいはシャント疾患や弁膜症などで左心室に容量負荷がかかり左心室が広がるとその結果として心室壁にかかる張力が増えますのでその張力に耐えるために心室壁は肥厚し強度を増します

すなはち、拡大は必ず肥大を伴いますが、肥大は必ずしも拡大を伴いません

もし肥大を伴わない拡大があればそれは心筋そのものに異常があると言えます

拡張型心筋症はその例で、左心室の筋肉に異常がおこり収縮力が低下すると拍出量を保つために心室は拡大しますが、拡大したにもかかわらず肥大しません

超音波検査で拡大しているにも関わらず肥大のない左心室を見た場合、その時点で心筋の異常であると結論できます

心筋が収縮力を失う病気の中で頻度が多いのが拡張型心筋症です

現実には拡張型心筋症の原因は不明ですし、心筋症そのものを治す治療も現在のところありませんので心筋生検といったリスクのある検査はしないのが一般的です

拡張型心筋症に類似しした疾患には虚血性心疾患によるもの、心筋炎の後遺症、アミロイドーシスやサルコイドーシスがありますが、アミロイドーシスを除いて特異的な治療法はありませんし心アミロイドーシスの治療も一般に普及している段階ではないので治療は心不全対策になります

この分野は遺伝子レベルの研究が望まれる分野だと思います

 

 

 

 

75歳以上の高齢者の高血圧は血圧変動性が大きい、収縮期高血圧が多い、起立性や食後低血圧が多いなどの特徴があり、一概に年齢だけでは身体の活動性なども決められないこともあり

75歳以上の高齢者の高血圧については以下の4種のカテゴリに分類して降圧目標を立てることが推奨されています

①カテゴリー1:自力で外来通院が可能な方で目標は130/80以下です

②カテゴリー2:外来通院に介助が必要な方で140/以下を目標とするが合併症のある場合には130/以下を目標とする

③カテゴリー3:外来通院が困難な方で150/以下を目標にし120/以下にはしない

④カテゴリー4:エンド・オブ・ライフの方では個別に判断するが目標は140~160/で新たな降圧は開始しない

高齢者では降圧薬の副作用も出やすいので慎重に経過を見る必要があります