降圧薬のうちβ遮断薬は交感神経の働きを遮断し、心拍数を減少させ心臓の収縮力を低下させるなどの作用がありますので交感神経活性の高い若年者や頻脈傾向の方あるいは大動脈解離の方に積極的に処方されます。

心収縮力抑制作用がありますが、上手く使えば心不全の長期予後を改善しますので心不全治療には欠かせない薬です。また頻脈性不整脈を抑える効果もあり抗不整脈薬としても使用される一方、一部の不整脈を悪化させます。

気管支喘息や肺気腫、徐脈性不整脈、冠攣縮性狭心症、レイノー症状や閉塞性動脈硬化症には禁忌である一方β遮断薬にしかないメリットもあり、言わばもろ刃の剣といった印象がありますので循環器専門医以外の先生からはあまり処方されないようです。

 

 

 

ARBと略されるこの降圧薬の正式な名前はアンジオテンシンⅡタイプ1受容体拮抗薬です。

降圧作用が強力で多くの臓器保護作用が証明されていますが副作用は少なくカルシウム拮抗薬に次いで処方されています。

腎臓・心臓・脳の臓器障害のある場合や糖尿病を合併した例で汎用されます。

特に腎臓の機能が悪化するのを防ぐ効果もあるのですが、使い方を間違うと逆効果になります。

カンデサルタン(ブロプレス)・ロサルタン(ニューロタン)・バルサルタン(ディオバン)・テルミサルタン(ミカルディス)が代表的な処方薬です。

副作用が少なく他の降圧薬、特に利尿薬と併用されることが多いのもこの薬の特徴です。

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消毒用アルコールについての質問をよく頂きます。

特に濃度についての疑問が多いようです。

消毒用アルコールはエタノールが多く、濃度表記はw/w%、v/v%、度数が汎用されます。

理解を困難にするのは

水の比重(1mlの重量)が1であり、グラム(重量)で表記してもml(体積)で表記しても同じ1であるのに対して、エタノールは比重が0.789と低く1mlが0.789グラムしかないことと、

エタノールは水に溶けるのでエタノール1リットルと水1リットルを混ぜると2リットル未満にしかならないことの二点だと思います。

一般にw/w%はw%とも表記され、その消毒用エタノール1キログラムの中に何キログラムのエタノールが含まれているかというという意味です。

例えば75w%のエタノールを作成する場合は750グラム(約950ml)の100%エタノールをビーカーに入れ重量計の上に載せます。

そして合計が1,000グラムになるまで水を注ぎます。

これで75w%エタノールの完成で体積は1,100ml以上になります。

一方75v%のエタノールはビーカーに750mlの100%エタノール(約592グラム)を入れ合計が1,000mlになるまで水を注ぎます。

これで75v%エタノールの完成で重量は1,000グラム未満です。

一般に言われるアルコール度数はv%のことで、何も言わなけれなこの度数すなはちv%のことを指します。

コロナウィルスの殺菌に有効な度数は60~80度(v%)と言われていますが、濃度が高すぎるとエタノールは揮発性が高くあっという間に蒸発して十分な時間が得られないからです。

65w%は72v%に相当しますので単位に十分注意が必要ですね。

ちなみに消毒薬としてイソプロピルアルコールも汎用されますが、値段はエタノールの方が圧倒的に高価です。

これはエタノールがお酒として飲めるため酒税が課せられるからです。

エタノールに若干のイソプロピルアルコールを混ぜたものも販売されていますが、これは酒税を回避し価格を抑えるためでしょうね。

アルコールは揮発性が強く蒸発するときに皮脂を奪いますので若干のグリセリンを混ぜておくと手荒れが防げます。

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現在日本で最も処方されている降圧薬がカルシウム拮抗薬です。

代表的な薬品はアムロジピン(アムロジン・ノルバスク)、ニフェジピン(アダラート)、ベニジピン(コニール)などです。

降圧効果は強く飲み始めてすぐに十分な血圧低下が得られることが多い一方副作用も少ないので汎用されます。

歴史の長い薬で多くの臨床研究によって臓器保護などのいろんな好ましい効果は実証済みで、また安価であることも多く処方される理由の一つでしょう。

血管拡張作用が強く多くの臓器の血流を増加させますので狭心症の治療薬として用いられることもありますが、その反面頭部の血管も拡張しますのでのぼせやほてりあるいは頭痛といった副作用も見らるることがあります。この副作用は服薬初期に多く飲み続けると消失することが多いので耐え難いものでなければ中止する必要はないと思います。

また心筋細胞のイオンの流れをブロックし不整脈を抑える抗不整脈薬として使用されることもあります。

その他に歯肉腫脹・便秘や動悸がある場合もありますので気づいた場合には主治医に申し出てください。

グレープフルーツと一緒に摂取すると効果が増強される製品がありますので注意が必要です。

また意外に見過ごされがちなのが逆流性食道炎の悪化です。カルシウム拮抗薬を飲み始めて胸焼けがひどくなったという場合はくすりの副作用を疑う必要があります。

 

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減塩や体重の管理あるいは生活環境の改善などで血圧が十分に下がらない場合には降圧薬を内服することになります。

降圧薬には

カルシウム拮抗薬

アンジオテンシン受容体拮抗薬

アンジオテンシン変換酵素阻害薬

ベータ遮断薬

アルファ遮断薬

利尿薬

直接的レニン阻害薬

中枢性交感神経阻害薬

など多くの選択肢があります。

それぞれに長所と短所があり、自分に合った薬を選択することになります。

既に降圧薬を服用されている方で、自分はどの降圧薬を内服しているのかご存じですか?

自分はどういう理由でその薬を内服しているのか主治医の先生に尋ねてみると高血圧に対する理解が深まると思います。

次回から上記の降圧薬を一つずつ説明させて頂きたいと思います。

Hurst

この数日本当に寒い日が続きました。

そして血圧が上昇傾向の方も多いようです。

一般に寒い日は血圧が上昇します。

その他睡眠不足、便秘や精神的ストレスなど交感神経が緊張する状況では血圧を上昇させるホルモンが分泌されます。

一昔前の東北地方では冬の寒い朝にトイレで脳出血で倒れる方が多くおられました。

寒いトイレで怒責され一過性に血圧が上昇し脳の血管が破れるということが起こっていたわけです。

家庭に暖房が普及した現在でもトイレまで暖房設備を設置されている家屋は稀だと思います。

冬のトイレは血圧の盲点かもしれません。

寒いトイレを防ぐためにご自宅では冬の間はトイレのドアは開けっ放しにして頂くのが良いと思います。

 

adrenalin

薬を規則正しく内服して頂くことは、治療がうまくいくかどうかの重要なポイントです。

しかしなかなかうまくいかないことも多いのが実情です。

もう10年以上前ですが、一週間分の内服薬を小分けして収納し飲み忘れを防ごうと作られた週間薬ケースをたくさん仕入れてクリニックでお配りしたことがあります。

認知機能の低下された方を中心にお役立て頂きました。

どの程度効果があったのかは定かではないのですが一定の効果はあったと思っています。

 

ある日、軽度認知機能障害と診断されたご高齢の女性に診察室でこの週間薬ケースをお渡ししました。

『このケースを使って飲み忘れをしないようにお願いします』

と手渡すと、その方は目を丸くして

『先生、先月もこれくれたよ。その前もくれたよ。忘れたのか?』

 

失礼しました。

 

最近新型コロナウィルスのワクチンについて多くの質問を頂きます。

溢れる情報の中から正確な情報を見出すにはやはり厚生労働省の発表を見ることです。

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症のワクチンについて」

来年三月末までに英国アストラ・ゼネカ社との間でワクチン提供を受ける契約が締結されたということなので、その頃には接種が始まると思います。

上記サイトには他社との契約状況や国内開発についてのことも記載されています。

興味のある方はご覧いただけると参考になると思います。

 

mhlw

診察室で測る血圧と同様にあるいはそれ以上に重要な意味を持つのが家庭血圧です。

家庭で血圧を測定する際の注意点は

  • 指や手首で測定するものを避け上腕で測定する血圧計を用いる
  • 出来るだけリラックスした状況で測定する
  • 服の上からは測定しない

ことなどです。

複数回測りその全てを記録することや、二回測定結果の平均値を記録するなど様々な推奨がありますが、基本的には一度でも構わないと思います。

診察室で測定すると高いのに家庭では正常という場合は白衣高血圧と呼ばれ高血圧としての病的意義は薄いのですが、逆に診察室で測定しても高くないのに家庭で測定すると高血圧という場合は仮面高血圧と呼ばれ一般の高血圧と同様かあるいはそれ以上に危険だとされています。

実は家庭血圧は診察室での血圧よりも正確な予後予測因子であることが分かっており、当院ではできる限り多くの方に家庭血圧測定をお勧めしております。

家庭血圧を記録するための血圧手帳を用意しておりますのでご入用の方はスタッフにお申し付けください。

 

komoike

血圧は測る度に違う値が出る、とよく言われます。

血圧は心臓というポンプから送り出される血液の圧力で図のように脈圧があります。

例えばこの収縮期130、拡張期80という血圧のグラフを見てみましょう。

腕に巻き付けたマンシェットというゴムの袋を膨らませ動脈を圧迫します。

徐々にマンシェットの空気を抜いてゆきますが、収縮期血圧より高い圧で動脈を圧迫しているときは血液は流れませんから『ドクドク』という動脈の音は聞こえません。

徐々に空気を抜いて圧力を下げると圧迫されて狭くなった動脈の中を流れる血液の『ドクドク』という音が聞こえるようになります。

それが図のA点です。

更に圧力を下げると動脈の圧迫は全くなくなり血液の流れも『サラサラ』といった小さい音になります。

それがB点です。

ですのでこの場合の血圧は130/80ということになります。

ただ、マンシェットの圧を抜くタイミングでC点とD点のような圧を測定することもありうります。

この場合には収縮期血圧は低めに、拡張期血圧は高めになります。

血圧を測る原理によるこういった誤差もありますし、最初は緊張していて徐々に緊張がとれて下がることも珍しくありません。

血圧は一回の測定で判断するのではなく大まかな全体像を把握することが重要です。

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