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新型コロナウィルス感染が過去最高のペースで増加しており、いつどこで感染しても濃厚接触者となってもおかしくないほどです。

感染者のみならず濃厚接触者にも隔離期間はあるのですが、その考え方が改定されました。

下記リンクを参照頂ければ詳細がご覧になれます。

https://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/youseinoukoujigyou.html

従来7日間だった隔離期間が5日に短縮され、感染者と同居の場合も十分な感染対策を実施した日を起算日とすることが可能になりました。

濃厚接触者だからと言って直ちにPCR検査などをすることは推奨されないのは従来の通りです。

症状がありましたら発熱外来をお申込み下さい。

 

 

最近は抗原検査キットが市販され自身で検査が手軽にできるようになりました。

しかしこの抗原検査はその特徴と有用性さらに限界を知って使わないと間違った判断をすることがあります。

抗原検査キットには臨床用(診断用)と明記されているものとそうでない例えば研究用などと記載されているものがあります。

臨床用(診断用)キットとは下記のリンクをご覧いただければ分かりますが厚生労働省が定める基準を満たす精度を持ったもので現在35の製品があります。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000858746.pdf

これら以外のものはわかりやすく言えば、厚生労働省の定める基準を満たさない精度の低いものです。

 

PCR検査をはじめとする遺伝子増幅検査はコロナウィルスの数を増幅し検出しやすくする方法で、例えばRTーPCR法は1サーマルサイクルごとにウィルスの量が2倍になります。

一般的に34サーマルサイクル程度の増幅が多いので2の34乗倍すなはち約170億倍にウィルスを増殖させてウィルスを検出します。

一方で抗原検査は鼻腔に存在するウィルスをそのまま検出する検査なので感度はPCR検査に比べて圧倒的に劣ります。

ですので抗原検査では微量のウィルスしか存在しない状況では陽性と判定されません。

現実に抗原検査では陰性だった方がPCR検査では陽性と診断されることは珍しくありません。

PCR検査で陽性の人が抗原検査で陽性と診断される確率はどの程度でしょうか?

臨床用の抗原検査キットの中でも最も感度の高いもののひとつであるクイックナビでは

有症状の場合に89.3%、無症状の場合に67.1%です。

有症状の新型コロナ感染症の場合には鼻腔に既に相当数のウィルスが存在すると考えられます。

(逆に言うとウィルスが多いから症状がある)

こういう場合はPCR検査と比しても89.3%の感度があります。

しかしながら鼻腔に少量のウィルスしか存在しない無症状の場合は感度は67.1%に過ぎません。

 

抗原検査は発症後1日目から9日目の間に用いることが推奨されています。

無症状の場合には感度が低いからです。

すなはち無症状の方に抗原検査をして陰性だからと言ってウィルスがいないということにはなりません。

大きなイベントの前に関係者に抗原検査をして安全を確認するということがよく行われています。

しかしこの方法は上記の理由から危険です。

 

抗原検査は安価で結果が判明するまでの時間が数分程度と短く正しく使えば有用な検査です。

検査はその検査の特徴を知ったうえで用いるようにして下さい。

くれぐれも抗原検査で陰性確認などされないようにして下さい。

 

 

 

新型コロナウィルスに感染される方の数が激増する状況で、身近に感染者や濃厚接触者がいる場合にいったい自分はどうしたら良いのか分からずにお困りの方が多いと思います。

①新型コロナに感染された場合は全ての方が診療所から保健所に報告されます。

・40歳以上の方は原則として保健所から連絡がありますので、その指示に従って頂く必要がありますが患者数の急増に伴い迅速な対応ができないケースも発生しています。

当院で診断させて頂いた方は電話などオンライン診療を用いてご相談ください。

・39歳以下の方は原則として保健所からの連絡はありません。

大阪府の「大阪府39歳以下専用ページ」から対応ください。

②濃厚接触者になられた場合

濃厚接触者とは

・感染者と同居する方

・感染期間中(感染者の発症2日前~療養終了日まで)に感染者と a)マスクなしで、b)1メートル以内の距離で、c)15分以上話をした方 です。

濃厚接触者の方は下図のように接触日を0日目として7日間の自宅隔離をして下さい。

 

濃厚接触者になったからと言って直ぐにPCR検査を受けることは推奨されていません。

(検査も医師の認める事情のない限り公費負担にはなりません)

もし陰性であったとしても翌日に陽性になる可能性もありますし、陰性だからと言って自宅待機しないでよいということにはならないからです。

不幸にして濃厚接触者になってしまった場合、

・症状のない場合は7日間の自宅待機をし、少しでも症状のある場合にはすぐに医療機関を受診してください。

・症状のある方はすぐに医療機関を受診してください。

 

濃厚接触者の方が医療機関を受診する場合には必ず予め医療機関に電話で連絡を取ってからにして下さい。

一般の方と同じ待合室に入室することは決してされませんようお願い致します。

 

 

昨日お伝えしました当院職員の新型コロナウィルス感染の経過につき報告いたします。

本人はその後発熱しているものの軽症で隔離中です。

ほかの職員につきましては全員に2回以上のPCR検査を実施しすべて陰性を確認しており、もちろん有症状者もおりません。

感染が判明しました職員のご家族から複数の感染者が発見され、家族内感染と考えられました。

結論としまして院内感染は否定的です。

患者様、関係者の方々には心配とご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。

大阪府でも新型コロナウィルス感染は驚異的な勢いで増加しており本当に身近な脅威になってしまいました。

感染防御には最大限の配慮が必要と思います。

十分お気をつけください。

 

コロナウィルスの検出にはPCRという遺伝子増幅技術が用いられます。

これは2本鎖DNAが熱を加えると1本ずつに離れ、DNAポリメラーゼという酵素を利用すると1本のDNAを2本に増やせるということを利用して極めて少量のウィルスを何万倍にも増幅し検出しやすくする技術で、ウィルス性肝炎や肺結核などの診断に以前から応用されていました。

流行中のコロナウィルス検出にPCR検査という言葉がよくつかわれますが、実は遺伝子増幅技術はPCRだけではありません。

下記にお示しします厚生労働省の証明書をご覧いただけるとお判りいただけるのですが、日本の厚生労働省で正式に認可されているのはPCR(正確にはRT-PCR)検査以外にLAMP法・TMA法・TRC法・Smart Amp法・NEAR法・次世代シーケンス法などがあります。

精度的にはどれも大差なくウィルスを検出できます。

しかし、正式な陰性証明書としてPCR検査しか認めない国や団体もあります。

当院では院内に

・リアルタイムRT-PCR法

・NEAR法

の二台の検査機器を設置して活用しております。

PCR法は2時間ほど時間を要するのに比べてNEAR法は約15分で結果が判明します。

検体はPCR法が唾液で、NEAR法は鼻腔粘膜を用います。

発熱などの症状のため受診されました方には、結果判明までの時間が短いNEAR法を実施しております。

もちろんPCR法も可能ですので証明書などの都合でPCR法を希望される方は予めお申し出ください。

無症状の方で、職場などに提出用の陰性証明書をご希望の方もどちらの方法でも可能です。この場合料金は実費で診断書料金を含め¥15,000です。