カリウムはナトリウムの血圧上昇作用を阻害し適度なカリウム補給だけで収縮期血圧が4~5低下するとされています。
また脳卒中の発生は3,500mg/日のカリウム摂取で最小となります。
現在の日本人の平均カリウム摂取量は2,400mg/日ですからほとんどの人がさらにカリウム摂取を推奨されるということになります。
カリウムは生野菜や果物に多く含まれます。
おやつに塩分や糖分を多く含むスナック菓子を食べることを止めて果物を食べることが良いのでしょうね。
カリウムはナトリウムの血圧上昇作用を阻害し適度なカリウム補給だけで収縮期血圧が4~5低下するとされています。
また脳卒中の発生は3,500mg/日のカリウム摂取で最小となります。
現在の日本人の平均カリウム摂取量は2,400mg/日ですからほとんどの人がさらにカリウム摂取を推奨されるということになります。
カリウムは生野菜や果物に多く含まれます。
おやつに塩分や糖分を多く含むスナック菓子を食べることを止めて果物を食べることが良いのでしょうね。
コロナウィルス・パンデミック以降頻繁にPCRという言葉を聞くようになったと思います。
しかしこのPCRという言葉が独り歩きをして誤解をされている例も多いように思います。
PCRは polimerase chain reaction の略で2本鎖DNAを何倍にも増やす技術です。
ご存じのように生物の設計図である遺伝子は多くの場合DNA(デオキシリボ核酸)です。
DNAはA(アデニン)・T(チミン)・G(グアニン)・C(シトシン)の4種類の塩基が順番に並んで構成されています。
例えばATTCGTCAACTTGCT・・・といった具合に並んだ塩基配列が人間を含む生物の設計図(遺伝子)です。
そしてDNAは二重(らせん)構造といって、同様の内容を持つ塩基配列が二本一対になっています。
実はこのDNAは高熱になると一本鎖ずつに離れ、温度が下がると二本鎖に戻る性質があります。
PCRは、まず試験管の中のDNAを熱して一本鎖ずつに離します。
そして冷やす際にプライマーと呼ばれるDNAの端の部分を加えておくと、まず一本鎖のDNAの端にそのプライマーが結合します。
さらに試験管内にDNAポリメラーゼという、塩基を並べて結合させDNAを作る酵素とそれに加えて十分の塩基を入れておくと、プライマーの次にDNAポリメラーゼが元の一本鎖DNAの配列に合う塩基を次々と並べてゆき一本鎖DNAから二本鎖DNAを作り出します。
すなはち二本鎖DNAが2倍に増えるというわけです。
これを2回繰り返すとDNAは4倍になり3回繰り返すと8倍になります。
当院で採用している島津製作所のAuto Ampはこの温度の上げ下げ(サーマルサイクル)を約34回実施しますので2の34乗倍すなはち約170億倍にウィルスを増幅することになります。
しかし、実は現在のPCRの多くはウィルスそのものを増幅させる訳ではありません。
実際にはウィルスの一部、約16塩基対の部分を二か所増幅し検出します。
16塩基対と言っても塩基はATGCの4種類ですから4の16乗すなはち約43億通りの塩基配列がありそれを二か所検出しますので生物を特定するには十分の情報量です。
そもそも、院内でウィルスそのものを増幅していたら危険極まりありません。
当院でPCRを実施して二か所の塩基対のうち一か所だけが検出されることがあります。
これは、ウィルスの残骸分かりやすく言えば死んだウィルスを検出していると考えられます。
環境中の、例えばテーブルを拭いた布からPCRでコロナウィルスが検出された、という記事を見かけますが、これは必ずしも感染性のある生きたウィルスを意味しません。
多くの場合死菌です。
咳のしぶきの中のウィルスは床に落ちるとそんなに長時間は生きられないことが分かっています。
新型コロナウィルスに感染し症状が消失する10日目ごろにPCRをすると死菌を増殖して陽性と判定されることがよく見られます。
PCRは感染性のない死んだウィルスでも検出するのです。
ですので、PCR陽性イコール感染性を意味するものではありません。
PCRが万能であるという概念は誤解です。
WHOのホームページを読むと新型コロナウィルスに対する知見も経時的に少しずつ変化しています。
当初盛んに言われていた接触感染は最新の記述では否定的のようです。
すはなち、アルコール消毒や手洗いなどはそれほど必要ではないのかもしれません。
一方飛沫感染に加えてエアロゾルという記述がみられるようになりました。
従来の飛沫感染よりももう少し長時間空気中にウィルスがとどまる可能性が示唆されています。
新型コロナウィルスに対する知見が集積されるにつれて従来の概念が間違っていたことが判明する場合もあります。
最新の情報はテレビや雑誌によらず、WHOや国立感染症研究所のHPから得るのが良いと思います。
房室結節回帰性頻拍は一般の方には聞きなれない、おそらく初耳の不整脈と思いますが内科では時折見かける不整脈です。
特徴は心拍数が急に早くなり多くの場合安静時にも拘らず140~160/分といった高度の頻脈になります。
症状は動悸とそれに伴う息切れや多尿などです。
長時間持続すると心不全になりますが、自然停止することも多く受診時には治まっていて診断がつかないということも珍しくありません。
繰り返す場合はアブレーション治療の適応になりますが、発作時の心電図を記録することが必要です。
そしてこれが実は容易ではありません。
24時間心電図や携帯型心電図を試しますが、発作をうまく捉えられないケースも多く診断に難渋します。
こういう場合アップルウォッチが有用でしょうね。
血圧には季節性の変動があり夏場には低下することも珍しくありません。
血圧が下がり過ぎる場合には一時的に減薬や休薬を考慮することもあります。
降圧剤を中止した方で、一定期間後に再び降圧剤は必要になるケースは多くみられます。
降圧剤を再開せずにすむ方の特徴は
・臓器症状や検査異常など動脈硬化所見のない方
・若年者
・正常体重
・低塩分摂取
・非飲酒者
・1剤のみの内服
などです。
ですからこれらの特徴を持たない方の降圧剤中止は推奨されません。
脳梗塞は再発率の高い病気であり、再発予防には血圧管理が極めて重要です。
血圧を下げすぎるとかえって再発率が高くなるJカーブ現象があるのかについては未だに結論の出ていない難問です。
Jカーブ現象の存在を裏付ける論文も、存在を否定する文献もあります。
ただ、収縮期血圧120程度までは低ければ低いほど再発率は低いことが分かっています。
また、脳梗塞の既往のある場合には大きな脳血管に狭窄がある場合には下げすぎにも注意が必要となる場合もあります。
脳梗塞再発予防には抗血小板薬が処方されますが、副作用には出血があります。
抗血小板薬を内服中には脳出血の危険性も考慮しなければなりませんが、その場合には130/81がカットオフ値でこれを超えないようにすることが必要です。
新型コロナウィルス感染の第7波が本格化し発熱される方も急増しています。
医療機関が発熱患者様の対応に追われる状況で医療はひっ迫し受診できる医療機関を探すのに苦労される方もおられると思います。
特に日曜・祝日には対応医療機関が少なくなりお困りのことと思います。
大阪府から日曜・祝日の発熱外来につき対応するよう各医療機関に通達があり、各医療機関は不定期に日曜・祝日の発熱外来の実施を予定しています。
日曜・祝日の当日にどこの医療機関が発熱外来を実施しているかは下記のリンクから閲覧できますので参考にして下さい。
https://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/sinryokensa.html
当院が大阪府に届け出ています日曜日・祝日の発熱外来の予定は8月・9月については
8月11日(祝)
8月15日(盆)
9月4日(日)
9月23日(祝)
の9:00~12:00です。
ご利用頂けましたら幸いです。
心房細動の合併症で最も恐ろしいのは脳梗塞です。
そして脳梗塞を予防するために抗凝固薬を内服することになります。
抗凝固薬には古くからあるワーファリンとDOACと呼ばれる比較的新しい抗凝固薬があり、メジャーな副作用は両者とも出血です。
薬価はワーファリンが圧倒的に安価なのですが摂取するビタミンKの量により効果が左右され頻回に薬効をチェックしなければならないというデメリットがあります。
多くの臨床研究からDOACの有用性が証明され現在ではDOACが抗凝固薬の主役になっています。
ただこのDOACも腎機能の低下している場合には注意が必要で、定期的な血液検査をしなければなりません。
腎機能は一般に血清クレアチニン値からeGFR値を計算するのですが、目安として(eGFR/10)月に一回の血液検査が望ましいとされています。
例えばeGFRが30の方では、3か月に一度の血液検査が推奨されます。
少量の飲酒は数時間の血圧低下作用があります。
特に飲酒後入浴すると血圧低下が著明な場合もあります。
しかしながら習慣的な飲酒は逆に血圧上昇につながります。
実は脳出血はアルコール摂取量に比例し増加するのですが、脳梗塞や慢性腎臓病は少量の飲酒はかえってリスクを低下させることが分かっています。
酒は百薬の長ということわざもありますが、ある部分ではその通りです。
高血圧の方の場合にはエタノールで20~30ml/日以下が推奨され、これはおよそ
日本酒1合、ビール中瓶1本、焼酎0.5合、ワイン2杯に相当します。
女性の場合はこの半量が推奨される量です。
10年以上前の話ですが、私が実際に経験したことを紹介したいと思います。
HIV(エイズのウィルス)のスクリーニング検査は感度99.9%、特異度99.9%の優れた検査です。
ある日20歳過ぎの若い女性が健診(たしか献血だったと思います)でHIV陽性を指摘されたと受診されました。
その方は、自分はそんなウィルスに感染するようなことは全く身に覚えがないとのことでした。
そのことを言うと家族から「嘘つき」と言われたと、目に涙を浮かべながら話されました。
はたして、この女性は本当に噓をついているのでしょうか?
ところで感度と特異度とは何でしょうか?
感度は「感染者を陽性と判定する確率」で
特異度は「非感染者を陰性と判定する確率」です。
日本におけるHIV陽性者は約10万人にひとりです。
例えば、日本人10万人にHIVのスクリーニング検査をした場合、その10万人にはHIV感染者が1名と非感染者が99,999人含まれます。
その感染者1人は99.9%の確率で陽性ですから0.999人即ちほぼ1人の陽性者がいることになります。
特異度99.9%とは100人の非感染者を99.9%の確率で陰性と判断しますから、言い換えると100人のうち0.1人の偽陽性者がいることになります。
ですので、99,999人のうち0.1%つまり99.9人=約100人の偽陽性者がいることになります。
まとめますと、日本人10万人にHIVスクリーニング検査をすると1名の感染者と100名の非感染者が陽性と判定され、
スクリーニング検査でHIV陽性と判断された場合100/101の確率で偽陽性です。
その女性は2次精密検査でHIVに感染していないことが証明されました。
これは正しい知識を持たず、先入観だけで物事を判断したために重大な人権侵害を犯した例です。
似たようなことはコロナウィルスパンデミックでもありました。
内科学会で面白い問題がありましたのでご紹介いたします。
「ある新薬Aが発売されました。
この薬を内服すると2年後には認知症の発症率が既存薬に比して33%減少し0.1%になりました」
さて、あなたはこの薬を飲みますか?
認知症の発症が33%も減るのだから飲みたい、と多くの方は思われるかも知れません。
似たような広告は巷には氾濫しています。
さて、この新薬Aの効果につき詳しく考えてみましょう。
33%減少し0.1%になったということは既存薬では発症率が0.15%であったということです。
すなはち既存の治療薬では100人に0.15人、言い換えれば10,000人に15人が発症していたのが、
新薬Aでは100人に0.1人、言い換えれば10,000人に10人に減ったという意味ですから
10,000人の方が新薬Aを服用し5人の方が発症を抑えられたということです。
つまり1人の発症抑制効果を得るのに2,000人の人がこの新薬Aを飲む必要があるというわけです。
もっと言うならば2,000人の服用者のうち1,999人はこの薬の恩恵はないという意味になります。
一人の効果を得るために何人がその薬を飲む必要があるのかというのを
NNT(number needed to treat)と言います。
この新薬Aの場合はNNT=2,000ということになりますね。
さて、あなたはこの薬を飲みますか?
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大阪府堺市中区大野芝町180 神工ビル2F
Tel.072-235-7711
Fax. 072-235-4611
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