2がつ14日から始まりました新クリニック建設工事もいよいよ12月25日で終了です
10月以上にわたって不便をおかけしまして本当に申し訳ありませんでした
12月26日からはクリニックの駐車場が利用可能となります
お気づきの点などありましたらスタッフにお伝えいただけましたら幸いです

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フラミンガム研究などの観察研究で収縮期血圧120以上から心血管合併症が増えてくることは以前から明らかにされており,収縮期血圧120は至適血圧値とよばれていました。
しかし降圧薬治療でこのレベルまで介入することの是非については多くの議論がありましたが、血圧を120以下に下げることの有用性を証明した大機御臨床研究がSPRINT試験です
収縮期血圧を120以下に降圧した場合には140を目標にした場合に比べて心不全や心筋梗塞などの心血管イベントが25%も低下し、全死亡も27%も低下したという結果を踏まえてアメリカでは高血圧の基準が130/80に引き下げられました
日本での高血圧の基準はそれには追随しなかったものの、2025改定の「高血圧管理・治療ガイドライン」では「120/80以上の血圧を呈するすべての者を血圧管理の対象とする」と宣言されています
ただちに降圧剤を内服するかは別にして生活習慣の改善などを開始することを推奨されています
ちなみにSPRINTでは血圧は医師のいない場所で自動血圧計で3回計測した血圧の平均値を血圧として採用しています
診察室での血圧は家庭血圧より高値である場合が多く血圧は家庭で測定することが基本だと思います

感染性心内膜炎とは心臓の構造的な異常や人工弁などの異物に菌が付着・増殖して菌の塊を形成し心臓の構造を破壊する病気です
菌の塊が血流にのって脳などの遠隔臓器に塞栓などをおこしたりもしますとても恐ろしい病気です
感染性心内膜炎になりやすい危険因子は分かっていて、特に人工弁はハイリスクです
抜歯などの歯科処置や、掻爬疹を伴うほどの皮膚疾患が原因となると言われています
歯根や皮膚から侵入した菌が弁などに菌塊を形成しますのでハイリスクの方はそういう処置の際に予め抗菌剤を内服することも推奨されます
先天性の心疾患や人工弁植え込み手術の既往のある方は抜歯前に主治医に相談されるのが良いと思います

特に左の腎臓は130mmHgもの圧力がかかり太さ2センチ以上もある大動脈から数センチしか離れていないにも関わらず極めて細い血管にまで分岐し糸球体を形成します
ですので腎臓の中の微小な血管は太さに比べてすごく大きな圧力がかかっておりこれをストレインベッセルと呼びます
構造上血管壁のダメージを受けやすく血流の障害は蛋白尿のない腎機能低下につながります
こういう場合には降圧薬としてアルドステロン受容体拮抗薬の優位性はなく、カルシウム拮抗薬も選択肢になります
こういう状況は腎硬化症と呼ばれますが、全身の他の動脈例えば脳や心臓あるいは眼の血管でも同様のことがおこっている可能性がありますので注意が必要です

発作性上室頻拍という名前は一般の方には聞きなれないと思いますが、そんなに稀な不整脈ではありません
心拍は心房の最上位である洞結節から発生した電気信号が心房→房室結節→心室へと伝達され心臓が律動的な収縮をするので、心拍数は洞結節の電気信号の発生頻度によります
運動時や精神的な興奮時には洞結節から発生される電気信号が多くなり心拍数が増加します
その場合には心拍数は徐々に増加し、徐々に減少します
ところがある瞬間に急に心拍数がまるでスイッチを切り替えたかのように早くなることがあり、これを発作性上室頻拍と呼びます
安静にリラックスしているのに急に心拍数が160/分とかに増えますから「ドキドキ」と激しい動悸がします
全力疾走したときのドキドキ感が安静にしているのに急に出現しますから不愉快な感じがします
原因はいくつかあるのですが洞結節からの電気信号が房室結節でグルグルと無限に回る小さな電気回路が形成されてしまう房室結節リエントリー頻拍が最も多い原因です
多くの場合、自然に収まりますから心電図でとらえられることは稀です
しかし最近は携帯する心電計やアップルウォッチが普及し記録されるケースも見られるようになりました
急に心臓が走り出す感じがする場合にはこの発作性上室頻拍かもしれません
ところで、ミャクミャクってお尻にも目があるんですね

9月28日に堺中央教会杉貴生牧師様のご厚意で新クリニック祝福の会を開催して頂きました
杉牧師様はじめクリスチャンの方々から暖かいお祝いと励ましのお言葉を頂き医療に従事する者として改めて責任の重さを感じました
医療の基本はボランティアだと思っているのですが、クリスチャンの方々の思想は利他的で医療の心に通じるものがあると感じました
最後に記念写真を撮影して頂きましたが、シャッターと同時に自動ドアが閉まり大笑いでした
当日ご参加いただきました皆様本当に有難うございました

HFpEFの長期予後を改善する効果を証明された薬は長らくなかったのですが、2021年以降の臨床研究から糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬がHFpEFの標準的な治療薬として位置づけられました
しかしながらそれ以外の薬剤は未だに有効性が不明または無効でHFpEFの治療はまだまだこれからの分野です
また今年改定された高血圧のガイドラインでは、HFpEFに対して血圧を130未満にすることが推奨されています
その解説を見ますと
「HFpEFにおける収縮期血圧130未満の血圧管理は、130以上の管理と比して全死因死亡を26%減少させ統計的には優位ではなかったものの抑制傾向が認められた」
と若干歯切れの悪い表現です
個人的意見ですが、これはHFpEFというのが一つの疾患ではなく多くの病態をひっくるめて論じているからではないかと思います
左室収縮能の保たれた心不全、言い換えれば心臓の動きが良いにもかかわらず心不全であるというのはいろんなケースを含みます
最も多く想定されているのが
・左室拡張障害;左心室の収縮は良いが左心室が硬く広がりにくくなっているためにその手前の肺にうっ血がおこっている
だと思うのですが、それ以外に
・頻脈など不整脈によるもの
・弁の機能異常
・脱水
・腎機能低下などによる循環血液量の増加
などたくさんあると思います
ですからHFpEFはまずどのようなメカニズムでおこっているのかをはっきりさせ個々の血行動態に合わせた治療をするのが現状ではベストだと思っています

太平洋戦争を指揮したアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領は重症高血圧だったそうです
死去したのが1945年の終戦直前でしたが、当時の血圧は300/だったと記録があります
脳出血でなくなったのですが、どうしてそんな血圧を放置したのでしょう?
理由は二つあります
・当時血圧は高い方が臓器血流が良くなる、すなはち血圧が上昇するのは良い反応だと信じられていた
・有効な降圧剤がなかった
意外なことですが高血圧治療の必要性が認識され、臨床に降圧剤が用いられるようになったのは戦後です
案外歴史の浅い治療なんですね

日本高血圧学会発行のガイドラインが今年改定されました
以前のものは
「高血圧治療ガイドライン2019」で今回改定されたのは
「高血圧管理・治療ガイドライン2025」
に名前自体が変わりました
そして第1部「国民の血圧管理」では高血圧の予防・啓発活動に従事する方々が利用対象となっており予防医学に重点が置かれています
ですので医師以外の方が読むことを想定されておりネット通販などで購入可能です
ご興味のある方は是非一度ご覧ください


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