投稿

心房細動という不整脈は長嶋茂雄さんが脳梗塞を発症してよく知られるようになりました。

血圧が高いと心房細動発症のリスクが増加しますし、

心房細動の方では血圧が高いほど脳卒中発症のリスクが増加します。

ですので心房細動の方では血圧の管理が極めて重要です。

一般に130/80未満を目標に血圧を調節するのが望ましいと言われています。

心房細動の方では脳梗塞予防のために抗凝固剤を内服することが多いのですが、この薬は脳出血のリスクにもなりますのでなおさら十分な降圧が必要です。

心房細動では脈拍が多いとそれだけで心不全を発症しますので脈拍を減らすベータ遮断薬を処方されることが多いです。

もちろん減塩が重要なことは言うまでもありません。

降圧薬のうちβ遮断薬は交感神経の働きを遮断し、心拍数を減少させ心臓の収縮力を低下させるなどの作用がありますので交感神経活性の高い若年者や頻脈傾向の方あるいは大動脈解離の方に積極的に処方されます。

心収縮力抑制作用がありますが、上手く使えば心不全の長期予後を改善しますので心不全治療には欠かせない薬です。また頻脈性不整脈を抑える効果もあり抗不整脈薬としても使用される一方、一部の不整脈を悪化させます。

気管支喘息や肺気腫、徐脈性不整脈、冠攣縮性狭心症、レイノー症状や閉塞性動脈硬化症には禁忌である一方β遮断薬にしかないメリットもあり、言わばもろ刃の剣といった印象がありますので循環器専門医以外の先生からはあまり処方されないようです。

 

 

 

現在日本で最も処方されている降圧薬がカルシウム拮抗薬です。

代表的な薬品はアムロジピン(アムロジン・ノルバスク)、ニフェジピン(アダラート)、ベニジピン(コニール)などです。

降圧効果は強く飲み始めてすぐに十分な血圧低下が得られることが多い一方副作用も少ないので汎用されます。

歴史の長い薬で多くの臨床研究によって臓器保護などのいろんな好ましい効果は実証済みで、また安価であることも多く処方される理由の一つでしょう。

血管拡張作用が強く多くの臓器の血流を増加させますので狭心症の治療薬として用いられることもありますが、その反面頭部の血管も拡張しますのでのぼせやほてりあるいは頭痛といった副作用も見らるることがあります。この副作用は服薬初期に多く飲み続けると消失することが多いので耐え難いものでなければ中止する必要はないと思います。

また心筋細胞のイオンの流れをブロックし不整脈を抑える抗不整脈薬として使用されることもあります。

その他に歯肉腫脹・便秘や動悸がある場合もありますので気づいた場合には主治医に申し出てください。

グレープフルーツと一緒に摂取すると効果が増強される製品がありますので注意が必要です。

また意外に見過ごされがちなのが逆流性食道炎の悪化です。カルシウム拮抗薬を飲み始めて胸焼けがひどくなったという場合はくすりの副作用を疑う必要があります。

 

cloud