JCS

学会の専門医制度が始まったのは私が奈良県立医科大学を卒業する昭和62年の少し前だったと思います。

現在は専門医を取得することが医師になってからの必須の研修コースで、専門医資格がないと日常業務に支障をきたすこともあります。

しかし当時は専門医資格を取得することの意味合いも不明確で、特になくても困らないものでしたから取得しない医師も珍しくありませんでした。

私の場合は当時の奈良県立医科大学第一内科の同僚が受験するので卒後5年目に一緒に受験し認定医の資格を取得しました。

順序としては内科認定医→総合内科専門医または各領域の専門医(例えば循環器専門医)と受験資格ができ取得する流れになります。

内科認定医資格を取得した翌年に学位を取得した私は専門医資格の取得をせずに医局から派遣された病院で勤務をしていましたが、そろそろ循環器専門医も取得しないとと考え平成11年に必要書類を提出し受験しました。

もちろん初めの受験で当時は過去の問題集などありませんでしたが、どうせ毎日している仕事のことなので簡単だろうと何の準備もせず試験会場に入りましたが、いざ試験が開始し配られた問題を見て驚きました。

冷静に考えれば当たり前のことなのですが循環器専門医試験は循環器内科医と心臓血管外科医が受験する試験です。

試験問題は一定の割合で外科の内容だったのです。

循環器内科の試験だと勘違いしていた私は本当に焦りましたし、もしかしたら不合格かも知れないとも思いました。

答えられる問題だけを答えました。

結果的には合格していたのですが、終わった時には思わず

『参った!』

と独り言を言ったほどです。

現在は専門医資格が医師の経歴を測る目安として定着していますし、ほとんどの医師がそれを取得します。

逆に私が先に取得した学位は現在はあまり重視されなくなってきており、欲しいけどなくても困らないという印象です。

学位については、『足の裏についた米粒』と表現する方がおられました。

取れないと気持ち悪いけど取ったからと言って食えない、という意味だそうです。

昭和のころは臨床と同じくらい研究に重きを置いていましたが、医師のキャリアについての考え方も大きく変わりました。

JCS