高血圧の話 9 カルシウム拮抗薬
現在日本で最も処方されている降圧薬がカルシウム拮抗薬です。
代表的な薬品はアムロジピン(アムロジン・ノルバスク)、ニフェジピン(アダラート)、ベニジピン(コニール)などです。
降圧効果は強く飲み始めてすぐに十分な血圧低下が得られることが多い一方副作用も少ないので汎用されます。
歴史の長い薬で多くの臨床研究によって臓器保護などのいろんな好ましい効果は実証済みで、また安価であることも多く処方される理由の一つでしょう。
血管拡張作用が強く多くの臓器の血流を増加させますので狭心症の治療薬として用いられることもありますが、その反面頭部の血管も拡張しますのでのぼせやほてりあるいは頭痛といった副作用も見らるることがあります。この副作用は服薬初期に多く飲み続けると消失することが多いので耐え難いものでなければ中止する必要はないと思います。
また心筋細胞のイオンの流れをブロックし不整脈を抑える抗不整脈薬として使用されることもあります。
その他に歯肉腫脹・便秘や動悸がある場合もありますので気づいた場合には主治医に申し出てください。
グレープフルーツと一緒に摂取すると効果が増強される製品がありますので注意が必要です。
また意外に見過ごされがちなのが逆流性食道炎の悪化です。カルシウム拮抗薬を飲み始めて胸焼けがひどくなったという場合はくすりの副作用を疑う必要があります。