心不全の話 14 前負荷と後負荷

心臓そのものの収縮能や拡張能とは別に心臓の外から心不全を規定する因子があります。

心臓の前、すなはち心臓に流入する血液量が増えれば拡張期に心臓は大きく拡張し、スターリングの法則に従いそれだけ心臓は強い力で収縮します。

これを前負荷と言います。

これは心不全を代償しようとする生理的な反応ですので、スターリングの法則に従い心臓の収縮が強められている状況では循環血液量を減らし前負荷を低下させる利尿剤は心不全を悪化させます。

しかしながら前負荷が上昇しすぎて心臓が流入する血液を処理しきれなくなる、体のむくみや肺うっ血がある状況では利尿剤は心不全を改善します。

利尿剤ももろ刃の剣ですね。