心不全の話 22 リモデリング
心不全がある一定の期間持続すると心筋自体にダメージがおこります
心臓の内腔が拡大したり(心拡大)心臓の筋肉が肥厚したり(心肥大)といった肉眼的変化のみならず、
心臓の筋肉が線維化をおこして収縮能を失ったり心筋細胞膜のイオンチャネルの電気抵抗が変化してしまったりといった具合に心臓の構造そのものが劣化してしまいます
これを心筋リモデリングと呼びます
一旦起こったリモデリングは元に戻すことは難しいのですが、一部の薬剤にはその効果が認められ、
これをリバースリモデリングと言い、β遮断薬とイバブラジン(商品名コララン)で確認されています
ただしどういった症例でこのリバースリモデリングが期待できるかについては未だ明らかにはなっていません
ESC(欧州心臓病学会)では心不全の病型に関係なく心不全と診断されればまず導入されるべき薬剤としてSGLT2が挙げられていますが、日本ではβ遮断薬を心不全のアンカードラッグと考える傾向があるように思います
β遮断薬は副作用が多く処方には注意が必要なのですが逆にβ遮断薬にしかないメリットもたくさんあります
その一つがリバースリモデリング作用です