高血圧の話 13 ACE阻害薬
アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)はアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)と作用機序が類似しており効果の面でも似通っている薬なのでひとくくりに論じられることも多いと思います。
ARB同様に腎機能の保護作用がありまた狭心症などの冠動脈疾患の発症リスクも軽減しますし、糖尿病患者の死亡リスクも低下させることが証明されていますから特に腎症を合併した糖尿病患者さんでは多用されます。
空咳という特有の副作用がありますが、一般には認知されていないせいか患者さん自身がこの咳を降圧薬の副作用とは自覚しないケースも珍しくありません。
降圧効果はARB同様と言われていますが、実臨床ではARBより劣る印象があります。
実は空咳の副作用はアジア人に多く、日本での投与量が欧米に比して低く設定されているからだと思います。
ですので一般にはARBの方が多用されているようです。
ところで、この満月の写真は私の英会話の先生 Mike Hoyer さんがバンクーバーから送って下さったものでカナダでは warm moon と呼ばれるそうです。
この満月をきっかけに徐々に暖かくなり春を実感するそうです。
日本では春は梅や桜といった植物で感じることが多いと思いますが、緯度の高いカナダでは冬は昼間の時間が極端に短くなるので空を見て季節を感じるのでしょうね。