高血圧の話 51 高血圧緊急症

緊急に血圧を下げる必要のある状態を高血圧緊急症と呼びます。

単に血圧が高いのみではこの高血圧緊急症には該当せず切迫症と呼びます。

網膜出血・脳出血・高血圧性脳症・子癇などの高血圧による臓器障害が進行している状況や、脳梗塞血栓溶解療法後や冠動脈バイパス術後などの高血圧による臓器障害が危惧される状況が該当します。

これら高血圧緊急症に該当する場合は原則として入院し、内服薬ではなく持続注射薬で降圧を行います。

この高血圧緊急症では急激で過度な降圧は臓器障害を悪化させる可能性がありはじめの1時間での降圧は25%未満にしなければなりません。

持続注射薬を用いる理由は、作用時間が短く下がり過ぎた場合にすぐに投与を中断し過降圧にならなくて済むからです。

内服薬を投与してしまうと効果が強すぎても中断することができず過降圧による臓器障害を招きかねないからです。