ヤフーが中国から撤退するというニュースを耳にしました。

中国や北朝鮮などの共産主義国家ではネットの検閲があるとお聞きしています。

しかし時々日本でも検閲があるのではないかと疑いたくなるくらい検索でヒットしないキーワードがあります。

『t-PA スキャンダル』

がその一つです。

我々医師は各学会発表のガイドラインに沿った形で診療を勧めます。

そしてそのガイドラインは学会で主導的立場にある研究者たちの合議で作成されていました。

t-PAという高額な薬剤がある年に突如として急性心筋梗塞や脳卒中の第一選択薬として推奨されました。

このガイドラインには当時駆け出しの医師だった私にも大きな違和感がありました。

急性心筋梗塞に対してはバルーンを使って血管を拡張させるPTCAという治療が既に根付きつつあったからです。

結局そのガイドラインは大きな議論を呼び、あっという間に改定されました。

そしてガイドライン策定委員会の医師たちに製薬会社から高額の献金がされていたというスキャンダルが発覚しガイドライン作成のありかたそのものを考え直すきっかけになりました。

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/176990.html

現在でガイドラインは参考にした研究や論文を挙げ、その論文からその治療がどの程度の根拠をもって推奨されるのかという表現形式に変わっています。

また正式に発表される前に原案が公開されパブリックコメントが求められます。

より公平な形で作成されているという訳です。

 

この事件は現在ネットで検索しても本当にヒットせず上記リンクのみが唯一のヒットです。

この事件をヒントに作成された映画がハリソン・フォード主演の「逃亡者」だと言われています。

私より若い世代の医師はおそらくこの出来事を知らない人が多いのではないでしょうか?