高血圧の話 28 一過性血圧上昇
特に季節の変わり目には血圧が大きく変動し、測定した血圧値に驚いてしまうこともよくあります。
それまで治療により正常の血圧を維持していたのに、急に180/以上に上昇し慌てふためくということもあると思います。
実は随分以前はそんな時には短時間作用型の降圧薬を内服や舌下投与し血圧を緊急に下げるということが行われていました。
しかし、現在ではそういう急速な高圧は脳や心臓などの虚血を誘発するとして、禁忌とされています。
一過性血圧上昇で進行性臓器障害がみられない場合は褐色細胞腫という特殊なケースを除いて緊急高圧の対象とはなりません。
一過性血圧上昇の一部には精神的要因の関与が示唆されており、パニック障害や過換気でも同様の症状がみられます。
こういう場合には気持ちを落ち着け身体を楽にして安静を保ったのちに再測定するのが推奨されます。
血圧上昇時に降圧剤の追加をすることは十分注意が必要です。