心不全の話 12 心臓リハビリテーション
閉塞した冠動脈をカテーテルを用いて再開通させる手技はちょうど私が研修医の頃に普及しだしました。
携帯電話のない時代ですから若手の循環器内科医が自主的に遅くまで病院に残り心筋梗塞の患者さんが救急搬送されるのを待っていましたが、人手のない時間帯に搬送された場合には残念ながら緊急カテーテルのできないこともあり、そういう場合には心筋の一部が壊死を起こしてしまいます。
壊死を起こした心筋は脆弱で心臓破裂を避けるために4週間程度の安静を強いられていました。
携帯電話を皆が持つ今日では、特に日本ではどんな場合でも緊急のカテーテル治療が受けられますので入院期間も本当に短くなり、早期離床が当たり前になりましたが、その分心臓リハビリテーションの重要性が認識されています。
現在では冠動脈疾患・心不全・末梢動脈疾患や心臓術後の方に予後改善効果が証明されており、安定型労作性狭心症では治療の第一選択に位置づけられるほどです。
その割に日本で心臓リハビリテーションが普及しないのはなぜでしょう?
もっと普及するべき治療だと思うのですが。