不整脈の話 9 心房細動 2

心房細動の最も多い症状はやはり動悸です。

心拍が全く不規則になりますから拡張期の長い後の収縮は拍出量が大きく「ドキン」とした胸の中でうさぎが跳ねたような感じがすることがありますし、直前の心拍との間隔が短く拡張期の短い収縮では拍出量が小さく「脈がとんだ」感じがします。

この不愉快な動機が持続しますので、なんとなく倦怠感があり集中力が途切れるような感じがする場合もあります。

しかしながらこの自覚症状は個人差があり、全く何の自覚のない方もおられます。

心房細動は心拍数が早くなるとそれだけで心不全になりうりますから場合によっては呼吸困難感やめまい・ふらつきあるいはむくみなどを訴える方もおられます。

このように心房細動の自覚症状は多彩で、一概に症状だけから診断することは困難ですが、心電図は有用で発作時の心電図はそれだけで確定診断に直結します。

多くの場合、緊急を要することはないのですがWPW症候群などの副伝導路症候群がある場合には心房細動が致死的になる場合もありますので注意が必要です。