血圧の受診間変動とは、外来受診時に診察室で記録する血圧の変動のことで、受診間変動が多いいというのは受診するたびに血圧が大きく違うことを意味します。

例えば前回の受診時に診察室で測定した収縮期血圧が120であり、次回の時が140であった場合には受診間変動は20ということになります。

若年期の受診間変動は中年期の海馬容積(アルツハイマー病は海馬の萎縮です)に関連しますし、高齢者の受診間変動は認知症発症の予測因子であることが分かっています。

降圧剤の中でもカルシウム拮抗薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬の2種がこの受診間変動を小さくするという報告があります。

 

クリニックにご縁のある方のご家族がケーキ屋さんをオープンされました。

深井駅近くのエッフェルと言うお店です。

オーダー専門のケーキ屋さんで見た目もきれいな楽しいケーキです。

味は甘さがとても上品なのどの乾かないようなさわやかな美味しさでした。

スムージーも販売されておられ黒ゴマのスムージーはここでしか味わえない絶対リピートする美味しさです。

https://tabelog.com/osaka/A2705/A270501/27128427/

 

ご家庭で血圧測定を続けておられる人はお気づきかもしれませんが一般に冬には血圧は上昇します。

もちろん気温が低下し血管が収縮することも要因の一つと推定されていますが、気温の低下する時期と血圧が上昇する時期は必ずしも一致しません。

一年で最も血圧が上昇するのは最も気温が低くなる時期の2~3週間前です。

単純な気温の変化以外にも日照時間や活動性、ホルモンの年周期との関連も推定されています。

高変動群(冬場の血圧上昇が大きい人)や逆転群(冬場にむしろ血圧が低下する人)では脳心血管疾患の発症が多く、季節変動を先取りした血圧の調節が有用であると考えられます。

 

高血圧患者では脳卒中や心臓病・腎臓病の発症が多いのはご存じの通りですが、自覚症状としては現れていなくても検査をすることによって既に高血圧性の臓器障害があることがわかる場合があります。

①脳:高血圧は脳卒中のリスク因子であるばかりでなく、認知症・うつ病のリスクにもなります。

これらはいずれも発症してしまってからでは回復が困難な場合が多く、頭部MRIや眼底検査で早期の臓器障害を検出することが可能です

②心臓:高血圧による心臓への負荷や心筋虚血には心電図・心臓超音波検査が有用です。

③腎臓:高血圧による腎臓への障害を調べるにはまず検尿をします。

④血管:動脈の硬化性病変には頸動脈や下肢動脈の超音波検査が有用です。

もしこれらの検査で臓器障害が検出された場合には速やかな高血圧の治療が必要です。

 

私が小学生の頃は金曜日の夜8時には家族全員でテレビの前でプロレスを観戦するというのが日本のありふれた光景だったように思います。

今では他の格闘技に押されテレビ放映も見かけなくなりましたが、あれほど国民を熱狂させたイベントも少なかったのではないでしょうか?

プロレスラーは鍛えた自分の肉体で相手の技を受け、相手を光らせるのが仕事です。

他の格闘技のように相手のパンチやキックを避けていたら試合にならない、そんなスポーツです。

『相手に花を持たせてなんぼ』は分かる人には分かるけど、分からない人には分からないでしょうね。

以前ある雑誌のインタビューで前田日明さんが

『私も長州力も藤波辰爾さんの作品です』

と語るのを聞きました。

この言葉にグッとくるのはきっと良い人です。

 

 

カリウムはナトリウムの血圧上昇作用を阻害し適度なカリウム補給だけで収縮期血圧が4~5低下するとされています。

また脳卒中の発生は3,500mg/日のカリウム摂取で最小となります。

現在の日本人の平均カリウム摂取量は2,400mg/日ですからほとんどの人がさらにカリウム摂取を推奨されるということになります。

カリウムは生野菜や果物に多く含まれます。

おやつに塩分や糖分を多く含むスナック菓子を食べることを止めて果物を食べることが良いのでしょうね。

 

 

コロナウィルス・パンデミック以降頻繁にPCRという言葉を聞くようになったと思います。

しかしこのPCRという言葉が独り歩きをして誤解をされている例も多いように思います。

PCRは polimerase chain reaction の略で2本鎖DNAを何倍にも増やす技術です。

ご存じのように生物の設計図である遺伝子は多くの場合DNA(デオキシリボ核酸)です。

DNAはA(アデニン)・T(チミン)・G(グアニン)・C(シトシン)の4種類の塩基が順番に並んで構成されています。

例えばATTCGTCAACTTGCT・・・といった具合に並んだ塩基配列が人間を含む生物の設計図(遺伝子)です。

そしてDNAは二重(らせん)構造といって、同様の内容を持つ塩基配列が二本一対になっています。

実はこのDNAは高熱になると一本鎖ずつに離れ、温度が下がると二本鎖に戻る性質があります。

PCRは、まず試験管の中のDNAを熱して一本鎖ずつに離します。

そして冷やす際にプライマーと呼ばれるDNAの端の部分を加えておくと、まず一本鎖のDNAの端にそのプライマーが結合します。

さらに試験管内にDNAポリメラーゼという、塩基を並べて結合させDNAを作る酵素とそれに加えて十分の塩基を入れておくと、プライマーの次にDNAポリメラーゼが元の一本鎖DNAの配列に合う塩基を次々と並べてゆき一本鎖DNAから二本鎖DNAを作り出します。

すなはち二本鎖DNAが2倍に増えるというわけです。

これを2回繰り返すとDNAは4倍になり3回繰り返すと8倍になります。

当院で採用している島津製作所のAuto Ampはこの温度の上げ下げ(サーマルサイクル)を約34回実施しますので2の34乗倍すなはち約170億倍にウィルスを増幅することになります。

しかし、実は現在のPCRの多くはウィルスそのものを増幅させる訳ではありません。

実際にはウィルスの一部、約16塩基対の部分を二か所増幅し検出します。

16塩基対と言っても塩基はATGCの4種類ですから4の16乗すなはち約43億通りの塩基配列がありそれを二か所検出しますので生物を特定するには十分の情報量です。

そもそも、院内でウィルスそのものを増幅していたら危険極まりありません。

当院でPCRを実施して二か所の塩基対のうち一か所だけが検出されることがあります。

これは、ウィルスの残骸分かりやすく言えば死んだウィルスを検出していると考えられます。

環境中の、例えばテーブルを拭いた布からPCRでコロナウィルスが検出された、という記事を見かけますが、これは必ずしも感染性のある生きたウィルスを意味しません。

多くの場合死菌です。

咳のしぶきの中のウィルスは床に落ちるとそんなに長時間は生きられないことが分かっています。

新型コロナウィルスに感染し症状が消失する10日目ごろにPCRをすると死菌を増殖して陽性と判定されることがよく見られます。

PCRは感染性のない死んだウィルスでも検出するのです。

ですので、PCR陽性イコール感染性を意味するものではありません。

PCRが万能であるという概念は誤解です。

 

WHOのホームページを読むと新型コロナウィルスに対する知見も経時的に少しずつ変化しています。

当初盛んに言われていた接触感染は最新の記述では否定的のようです。

すはなち、アルコール消毒や手洗いなどはそれほど必要ではないのかもしれません。

一方飛沫感染に加えてエアロゾルという記述がみられるようになりました。

従来の飛沫感染よりももう少し長時間空気中にウィルスがとどまる可能性が示唆されています。

新型コロナウィルスに対する知見が集積されるにつれて従来の概念が間違っていたことが判明する場合もあります。

最新の情報はテレビや雑誌によらず、WHOや国立感染症研究所のHPから得るのが良いと思います。

 

 

 

 

 

 

 

房室結節回帰性頻拍は一般の方には聞きなれない、おそらく初耳の不整脈と思いますが内科では時折見かける不整脈です。

特徴は心拍数が急に早くなり多くの場合安静時にも拘らず140~160/分といった高度の頻脈になります。

症状は動悸とそれに伴う息切れや多尿などです。

長時間持続すると心不全になりますが、自然停止することも多く受診時には治まっていて診断がつかないということも珍しくありません。

繰り返す場合はアブレーション治療の適応になりますが、発作時の心電図を記録することが必要です。

そしてこれが実は容易ではありません。

24時間心電図や携帯型心電図を試しますが、発作をうまく捉えられないケースも多く診断に難渋します。

こういう場合アップルウォッチが有用でしょうね。

 

血圧には季節性の変動があり夏場には低下することも珍しくありません。

血圧が下がり過ぎる場合には一時的に減薬や休薬を考慮することもあります。

降圧剤を中止した方で、一定期間後に再び降圧剤は必要になるケースは多くみられます。

降圧剤を再開せずにすむ方の特徴は

・臓器症状や検査異常など動脈硬化所見のない方

・若年者

・正常体重

・低塩分摂取

・非飲酒者

・1剤のみの内服

などです。

ですからこれらの特徴を持たない方の降圧剤中止は推奨されません。

 

脳梗塞は再発率の高い病気であり、再発予防には血圧管理が極めて重要です。

血圧を下げすぎるとかえって再発率が高くなるJカーブ現象があるのかについては未だに結論の出ていない難問です。

Jカーブ現象の存在を裏付ける論文も、存在を否定する文献もあります。

ただ、収縮期血圧120程度までは低ければ低いほど再発率は低いことが分かっています。

また、脳梗塞の既往のある場合には大きな脳血管に狭窄がある場合には下げすぎにも注意が必要となる場合もあります。

脳梗塞再発予防には抗血小板薬が処方されますが、副作用には出血があります。

抗血小板薬を内服中には脳出血の危険性も考慮しなければなりませんが、その場合には130/81がカットオフ値でこれを超えないようにすることが必要です。