不整脈の話 20 心房細動 8

心房細動では規則正しい収縮を失った心房内で血流がよどみ、血栓が形成されやすくなりその血栓が心房壁からはがれて血流にのって流れると脳梗塞をおこします。

ですので、心房細動の場合には抗凝固剤を内服し血液を固まりにくくして血栓の形成を予防しなければいけません。

当然のことながらこの抗凝固剤の副作用は出血です。

臨床研究では重症な出血、例えば脳出血などは稀で比較的安全性の高い薬なのですが、それでも超高齢者では出血が危惧されたり腎機能低下のため抗凝固剤の使用が難しい場合には左心耳閉鎖というカテーテル手術を実施する場合があります。

左心房の血栓はほとんどが左心耳という左心房から突き出た別室のようなところで形成されます。

この左心時にWATCHMANというデバイスで蓋をしてしまおうという方法です。

日本では2019年に保険適応となったばかりの新しい治療方法ですが、臨床研究では抗血栓効果は抗凝固剤に劣らず、出血副作用は抗凝固剤より少なかったそうです。