高血圧の話 17 高血圧と腎臓

高血圧を放置すると多くの臓器に障害がでます。

脳卒中や心臓病、認知症などが代表的なものですがなかでも腎臓は血圧の影響を受けやすい臓器です。

腎臓は一言でいえば血液を糸球体というざるで濾して尿を作る臓器です。

ですので腎機能の低下すなはち腎不全は血液から不要な老廃物や余分な水分を取り除くことができなくなる病気です。

高血圧による腎臓の障害の代表は腎硬化症ですが、大きく分けて2種類があります。

一つは血液をろ過する糸球体の硬化で、分かりやすく言えば糸球体というざるの目がつまってくる状態で糸球体の障害を示唆する蛋白尿がみられるようになります。

この場合、高血圧により糸球体に過剰な負荷がかかりざるの目がつまってくるので、糸球体に対する過剰な負荷を抑えるために糸球体のろ過を抑える作用のあるARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)やACEI(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)を用います。

もう一つは糸球体の手前の細動脈の硬化です。

腎臓という臓器の特殊なところは大動脈から数センチしか離れていないにも関わらずすぐに細かい血管に枝分かれするという点で、1~2mmの細い血管に大動脈と大差のない高い圧力がかかることです。

この動脈をストレイン・ベッセルと呼びますがこの血管に動脈硬化がおこるとやはり腎機能の低下が生じます。この場合は糸球体の障害はないので蛋白尿はみられません。

こういう状態でARBやACEIを投与数すると逆効果で腎機能障害が進行してしまいます。

高血圧による腎臓の障害がみられた場合にはどういうタイプの障害なのかを見極めて治療することが必要です。