不整脈の話 7 ブルガダ症候群

ぽっくり病という病名をお聞きになったことはあるでしょうか?

ぽっくり病は睡眠中に急に心臓が止まってしまい突然死する病気で欧米でも “Pokkuri disease” として一時話題になりました。

現在では心筋のナトリウムイオンの通り道に遺伝的な異常のあるブルガダ症候群として定義されています。

この病気は症状のない時でも特徴的な心電図を呈することから、健康診断の心電図でブルガダ心電図と診断されることがあります。

ブルガダ心電図を呈する方がすべてブルガダ症候群ではありませんが、健診の心電図からこの病気が判明し予防的な手術を受け突然死を免れるという例もあります。

また遺伝的な背景もありますので、突然死の家族歴のある方では特に注意が必要です。

心電図でこの病気が疑われる場合には通常とは違う場所に電極を付けて心電図を記録したり、ある種の抗不整脈薬を投与して心電図の変化を見たりする場合もあります。

診断が確定すれば内服薬では突然死を防げませんので、植込み型除細動器を植え込む手術をする必要がります。