心不全の話 27 ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬

今年改定された心不全診療ガイドライン2025では心不全治療薬としていくつかの薬が追加されました

マバカムテン(カムザイオス)、ブトリシラン(アムヴトラ)、アコラミジス(ビヨントラ)らは肥大型心筋症やアミロイドーシス治療薬として推奨されていますが、フィネレノン(ケレンディア)は糖尿病を伴う慢性腎臓病の方が心不全を発症を予防する効果があると認定され推奨されています

フィネレノンはアルドステロン受容体拮抗薬の一種です

アルドステロン受容体拮抗薬は現在開発中のものも含めて5種類あり、そのうちスピロノラクトンは最も早くから心不全に対する有効性が証明された薬剤の一つです

現在心不全治療薬として認定されているのはスピロノラクトンとエプレレノンの2種類ですが、フィネレノンは糖尿病と慢性腎臓病を合併した方が心不全に陥るのを予防する効果が認められた薬剤です

 

ちなみに以下の表はchatGPTに「ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の特徴をまとめた一覧表を作って」と入力して作成されたものです

ほんの一瞬で出力されたから驚きました

 

 

薬剤名 商品名(代表例) 分類 特徴 主な適応症 副作用
スピロノラクトン アルダクトンA ステロイド系(非選択的) ・最も古い
・非選択的(性ホルモン受容体にも作用)
・安価
・高血圧
・心不全
・原発性アルドステロン症
・高カリウム血症
・女性化乳房(男性)
・月経異常
エプレレノン セララ ステロイド系(選択的) ・MR選択性が高く性ホルモン受容体への作用が少ない ・高血圧
・急性心筋梗塞後の心不全
・慢性心不全(HFrEF)
・高カリウム血症
・腎機能障害
エソレノン ミネブロ ステロイド系(高選択性) ・日本独自のMR拮抗薬
・選択性がさらに高く副作用が少ない
・高血圧 ・高カリウム血症
・腎機能障害
フィネレノン ケレンディア 非ステロイド系 ・新しい薬剤
・組織選択性が高い
・抗線維化・抗炎症作用あり
・2型糖尿病を伴うCKD ・高カリウム血症
・軽度の腎機能悪化
エスポレノン ステロイド系(選択的) ・開発中/海外のみ(国内未承認)
・エプレレノンに近い特性
・情報不十分(臨床データ未確定)