心不全の話 32 NT-ProBNP

私が研修医の頃に循環器領域で研究対象として最も注目を集めていたのはANP(心房性ナトリウムポリペプチド)とエンドセリンでした

どちらも発見されたばかりで学会の度に多くの論文が発表されていました

当時は心臓は血液を送り出す単なるポンプであり、心臓がホルモンを分泌するというのがとても目新しく注目を集めていました

今日、心不全治療薬として市販されていますが、ANPに次いで脳が心不全に対するホルモンを分泌することが発見されBNP(脳性ナトリウムポリペプチド)と呼ばれました

その後の研究で脳よりむしろ心房から分泌されることが分かっています

ポリペプチドですが、心房からBNPの前駆体ProBNPが分泌されN末端が外れて血中に活性体として存在するので(アミノ酸にN末端とT末端があることは高校の科学で習いましたよね)血中のN末端すなはちProBNPのN末端(NT-ProBNP)はBNPと同じモル数が存在するわけでBNPを測定する代用としてNT-ProBNP濃度が心不全の指標として広く用いられるようになっています