不整脈の話 30 ブルガダ心電図と心房細動
朝、家族に死亡しているのを発見される突然死を呈する病気は日本では「ぽっくり病」として知られており欧米でも”Pokkuri Disease”と呼ばれていました
今日では心筋細胞膜のナトリウムイオンを通す穴(ナトリウムチャネル)の異常であることが判明しており普段から特有の心電図波形を呈するブルガダ症候群と呼ばれています
この特有の心電図はブルガダ心電図と呼ばれタイプ1~3の3種類があり、ブルガダ症候群と診断されるのはタイプ1だけです
ただし、厄介なのはこのブルガダ心電図はその時により出現したり消えたりします
特にタイプ2と3は心電図の電極の位置を変えたりある種の抗不整脈薬を投与するとタイプ1に変化することもあります
薬物(例えばピルジカイニド)を投与し心電図の変化を見る薬物負荷試験もあるのですが、薬物投与によってタイプ1になるケースでは元々タイプ1である例ほど重篤な不整脈も少ないのと薬物負荷そのものにリスクがあるのとで一般的には行われません
実はこのピルジカイニドは実際の臨床の場では汎用される薬で期外収縮や心房細動の際に用いられることは稀ではありません
例えば動悸の酷い心房細動の方にはしばしば投与されますが、投与後に心電図波形が変わってタイプ1のブルガダ心電図が出現するケースもありうります
こういう場合にはすぐに休薬して精査ということになります
ですので投与前の心電図がブルガダ心電図でなくても「以前健診などでブルガダ心電図を指摘されたことがある」という方は必ず医師に申し出る必要があります












