最近新型コロナウィルスのワクチンについて多くの質問を頂きます。

溢れる情報の中から正確な情報を見出すにはやはり厚生労働省の発表を見ることです。

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症のワクチンについて」

来年三月末までに英国アストラ・ゼネカ社との間でワクチン提供を受ける契約が締結されたということなので、その頃には接種が始まると思います。

上記サイトには他社との契約状況や国内開発についてのことも記載されています。

興味のある方はご覧いただけると参考になると思います。

 

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診察室で測る血圧と同様にあるいはそれ以上に重要な意味を持つのが家庭血圧です。

家庭で血圧を測定する際の注意点は

  • 指や手首で測定するものを避け上腕で測定する血圧計を用いる
  • 出来るだけリラックスした状況で測定する
  • 服の上からは測定しない

ことなどです。

複数回測りその全てを記録することや、二回測定結果の平均値を記録するなど様々な推奨がありますが、基本的には一度でも構わないと思います。

診察室で測定すると高いのに家庭では正常という場合は白衣高血圧と呼ばれ高血圧としての病的意義は薄いのですが、逆に診察室で測定しても高くないのに家庭で測定すると高血圧という場合は仮面高血圧と呼ばれ一般の高血圧と同様かあるいはそれ以上に危険だとされています。

実は家庭血圧は診察室での血圧よりも正確な予後予測因子であることが分かっており、当院ではできる限り多くの方に家庭血圧測定をお勧めしております。

家庭血圧を記録するための血圧手帳を用意しておりますのでご入用の方はスタッフにお申し付けください。

 

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血圧は測る度に違う値が出る、とよく言われます。

血圧は心臓というポンプから送り出される血液の圧力で図のように脈圧があります。

例えばこの収縮期130、拡張期80という血圧のグラフを見てみましょう。

腕に巻き付けたマンシェットというゴムの袋を膨らませ動脈を圧迫します。

徐々にマンシェットの空気を抜いてゆきますが、収縮期血圧より高い圧で動脈を圧迫しているときは血液は流れませんから『ドクドク』という動脈の音は聞こえません。

徐々に空気を抜いて圧力を下げると圧迫されて狭くなった動脈の中を流れる血液の『ドクドク』という音が聞こえるようになります。

それが図のA点です。

更に圧力を下げると動脈の圧迫は全くなくなり血液の流れも『サラサラ』といった小さい音になります。

それがB点です。

ですのでこの場合の血圧は130/80ということになります。

ただ、マンシェットの圧を抜くタイミングでC点とD点のような圧を測定することもありうります。

この場合には収縮期血圧は低めに、拡張期血圧は高めになります。

血圧を測る原理によるこういった誤差もありますし、最初は緊張していて徐々に緊張がとれて下がることも珍しくありません。

血圧は一回の測定で判断するのではなく大まかな全体像を把握することが重要です。

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コロナ肺炎の流行はいよいよ深刻化しており身近な脅威になりました。

軽症のまま軽快する人が80%、入院が必要となる人が20%、集中治療が必要となる人が5%で死亡率は1~2%です。

しかし肺気腫などの慢性呼吸器疾患、糖尿病、高血圧や肥満の方は重症化する確率が高くなります。

このウィルスの厄介なところは何といっても無症状の人から感染するということです。

潜伏期間は1~14(平均5)日ですが、発症する2日前から感染力があります。

実際に無症状の人からの感染が50%で、症状のある人からの感染は40%、また接触感染が10%ですから誰から感染したのか分からない方も多いようです。

また不思議なことですが発症者の80%は誰にも感染させません。

残りの20%の発症者が多数の人に感染を拡大させるいわゆるスプレッダーです。

咳によって排出される喀痰中のみならず唾液中にもウィルスは存在しますから咳以外に会話も危険ということになります。

さらにドアノブやエレベーターのボタンといった環境中に付着するウィルスを触った手で目や鼻をこする、という行為も危険です。

ですので、

  • 無症状の人を含めすべての人が感染源である可能性を考慮し常にマスクを着用する
  • 近距離での会話は控える
  • 手は常に消毒する

事が重要です。

 

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大阪生まれ大阪育ちで子供の頃から吉本新喜劇を観て育ちました。

今でも土曜のお昼の番組をタイマー録画して観ています。

古くは岡八郎さんや花紀京さん、最近ではすっちーさんや吉田裕さんがお気に入りで特に『乳首ドリルすな!』というギャグにはお腹を抱えて笑っています。

ところでクリニックを訪れてくれる製薬メーカーの情報提供員の中にA君という好青年がいました。

私と同様に吉本新喜劇の大ファンで、ある時診察室で新薬の紹介が終わった後に吉本新喜劇の話で盛り上がったことがあります。

共に吉田裕さんのファンで

『乳首ドリルすな!』っていうギャグ、最高やな!

と意気投合し、いつか一緒になんばグランド花月に行こうと約束しました。

A君と私が吉本新喜劇の話で盛り上がった数日後、A君が大阪市内のレストランで食事をしていると偶然隣の席にあの吉田裕さんが座っていたそうです。

興奮した彼はそのことを私に一刻も早く伝えたかったのでしょう。

翌日、クリニックの待合室で患者さんやクリニックスタッフのいる時に入って来るなり大きな声で

『先生!昨日、先生の好きな乳首ドリル見ました!』

 

言葉は省略せずに話して欲しいものです。

高血圧の原因の多くは本態性高血圧と呼ばれる原因不明のものです。

本態性高血圧の原因については諸説あるものの体質的因子と生活環境が相まって発症すると考えられています。

しかし見逃されがちな高血圧に原発性アルドステロン症があります。

高血圧全体の3~10%を占めますので決して稀な高血圧ではありません。

副腎から分泌されるアルドステロンが異常に増加し血圧を上昇させるだけでなく、全身の血管に直接ダメージを与え若い年齢で脳卒中をおこしたり糖尿病を合併しますので適切な治療をしないと大きな後遺症を残したりします。

原発性アルドステロン症の診断は血液検査や超音波検査などを併せて行います。

原発性アルドステロン症を治療する薬はありますので診断が適切にされれば大きな合併症を予防することが可能です。

他にも二次性高血圧と言われる本態性高血圧以外の高血圧は多数存在し、それぞれに適した治療薬があります。

高血圧と診断された方は自分の高血圧の原因が何なのかを十分理解してください。

 

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意外に思われるかもしれませんが、高血圧の基準は国によって違います。

アメリカでの高血圧の基準は診察室での血圧が、上(収縮期血圧)が130以上または下(拡張期血圧)が80以上の場合です。

一方日本の基準は診察室での血圧が上が140以上または下が90以上ですから、アメリカよりは若干緩やかな基準です。

家庭で測定した場合はそれぞれ5を引き、上が135以上または下が85以上です。

高血圧を治療するのは放置すると脳卒中などを発症するからなのですが、140以下であればそのリスクは全くないのかというとそうではなくて120を超えるとリスクは段階的に増加します。すなはち、120の人より130の人は脳卒中のリスクは高く、130の人より140の人の方は脳卒中のリスクは高いということになります。

ですので、120/80以下を正常血圧と呼び理想的な血圧と考えています。家庭で測定した場合は115/75です。

アメリカと日本で高血圧の基準が違うのは、脳卒中などの予防に対する介入意欲の差と言えます。

家庭で測定した血圧が110であった場合、決して下がり過ぎではありませんので安心してください。

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学会の専門医制度が始まったのは私が奈良県立医科大学を卒業する昭和62年の少し前だったと思います。

現在は専門医を取得することが医師になってからの必須の研修コースで、専門医資格がないと日常業務に支障をきたすこともあります。

しかし当時は専門医資格を取得することの意味合いも不明確で、特になくても困らないものでしたから取得しない医師も珍しくありませんでした。

私の場合は当時の奈良県立医科大学第一内科の同僚が受験するので卒後5年目に一緒に受験し認定医の資格を取得しました。

順序としては内科認定医→総合内科専門医または各領域の専門医(例えば循環器専門医)と受験資格ができ取得する流れになります。

内科認定医資格を取得した翌年に学位を取得した私は専門医資格の取得をせずに医局から派遣された病院で勤務をしていましたが、そろそろ循環器専門医も取得しないとと考え平成11年に必要書類を提出し受験しました。

もちろん初めの受験で当時は過去の問題集などありませんでしたが、どうせ毎日している仕事のことなので簡単だろうと何の準備もせず試験会場に入りましたが、いざ試験が開始し配られた問題を見て驚きました。

冷静に考えれば当たり前のことなのですが循環器専門医試験は循環器内科医と心臓血管外科医が受験する試験です。

試験問題は一定の割合で外科の内容だったのです。

循環器内科の試験だと勘違いしていた私は本当に焦りましたし、もしかしたら不合格かも知れないとも思いました。

答えられる問題だけを答えました。

結果的には合格していたのですが、終わった時には思わず

『参った!』

と独り言を言ったほどです。

現在は専門医資格が医師の経歴を測る目安として定着していますし、ほとんどの医師がそれを取得します。

逆に私が先に取得した学位は現在はあまり重視されなくなってきており、欲しいけどなくても困らないという印象です。

学位については、『足の裏についた米粒』と表現する方がおられました。

取れないと気持ち悪いけど取ったからと言って食えない、という意味だそうです。

昭和のころは臨床と同じくらい研究に重きを置いていましたが、医師のキャリアについての考え方も大きく変わりました。

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『高血圧って貧血の逆ですか?』

とよく質問を受けます。

貧血は血液の赤血球の濃度で、どれだけ血が濃いかを示します。

一方血圧とは血管の中の血液の圧力です。

風船に例えるとしぼんだ風船は圧力(血圧)が低く、パンパンに張った風船は高血圧ということになります。

圧力が高くなりすぎると血管が破れて脳出血になります。

また、風船と違って人間の血管は生きていますから圧力に対抗して血管の壁の強度を増そうと血管壁の肥厚が起こります。

少し難しい話になりますが、

血管の壁にかかる張力をT

血管の太さをR

血圧をP とすると、

T=P×R という計算式が成り立ちます。

すなわち血管系が小さいほど血管壁にかかる張力は小さくなりますから、生体の反応として血管壁の肥厚は内腔を小さくするような肥厚が起こります。

これを求心性肥厚といいます。

つまり血圧が高いとそれだけで血管の中は狭くなっていき、血管が詰まって梗塞をおこすということになります。

高血圧は殆どの場合無症状で健診などの偶然の機会に発見されますが、症状がないからと言って放置すると大変なことになりますから血圧の異常を指摘されたら専門医を受診し相談して下さい。

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このブログでは高血圧やコレステロールなどの当院で治療することの特に多い疾患を取り上げ紹介したいと思います。

まずは高血圧についてご紹介したいのですが、一口に高血圧といっても種々の疾患を含み治療法もさまざまで、血圧が140を超えたから薬を飲んでおけばいいや、などと軽く考えると大きなしっぺ返しを食らうことになります。

高血圧は頻度の高い言わばありふれた病気です。

高血圧の多くは健診などの機会に偶然発見されることが多く自覚症状がないケースがほとんどなのですが、放置すれば様々な合併症を発症します。

主なものでは脳卒中(脳梗塞・脳出血)、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)、慢性腎不全、認知症でいずれも人生を大きく左右するものばかりです。

そしてそれらは治療をすることで発症を未然に防ぐことができます。

収縮期血圧10mmHg または拡張期血圧5mmHgの低下により脳卒中のリスクは41%低下し、冠動脈疾患のリスクは22%低下します。

何かの機会に高血圧を指摘されたら放置せずにぜひ専門医にご相談ください。

単に薬を処方してもらうといったことではなく、人生に大きく影響するような内容のあるお話をお聞きできると思います。

 

Hypertension